ヤバい集中力
日本一の文献オタクと称される鈴木祐氏が書いた一冊です。
仕事や勉強に集中できないと悩む人に向け最新科学のエビデンスから集中力を上げるテクニックを教えてくれます。
内容について要点を8つに分けて解説していきます。
「集中力」という能力は想像しない?
「仕事で成果を出したければ集中力を高めよ」とよく言われますが、集中力と言う能力は存在しないと著者は言います。
普段口にしている「集中力」という言葉は自己効力感やセルフコントロール能力などの複雑なプロセスを何となく「集中力」という言葉でまとめているのです。集中するにはトータルな枠組みで本能を理性でコントロールする必要があります。
著者はこの本の中で
理性⇒調教師
と表現しています。
次ではこの「獣」と「調教師」について詳しく解説します。
「獣」の特性は本能
著者の言う獣とは本能のことで特性は次のようなものです。
一旦獣に体を乗っ取られると、私たちは成す術がないのです。
「調教師」の特性は理性
著者の言う調教師とは理性のことで特性は次のようなものです。
調教師が圧倒的なパワーを持つ獣と勝負をしても結果は見えているのです
獣には報酬を「予感」させること
獣をやる気にさせるには『報酬の「出し方」』がポイントになります。
これは報酬の額で獣を釣るのではなく、報酬を予感させることで獣を釣るのです。
獣は過大が難しすぎる
頑張ってもゲットできる可能性が低いから放っておこう
となってしまう。
逆に簡単すぎると
いつでもゲットできそうだから放っておこう
となるのです。
少し頑張ればゲットできそうという報酬を予感させる様な設定をおこなう事で獣をやる気にさせることができるのです。
実際に仕事をしていて「やっても意味がない」と思えるようなことや「あまりに難しすぎる」と言うようなことはやる気が起きにくいのではないでしょうか?
少し頑張れば達成できそうな課題であれば今にもやる気が出るのではないでしょうか。
獣は「儀式」を好む
やる気を起こさせるテクニックも大事ですが、獣が好む環境を作ってあげることも重要です。そのための方法としては「儀式」が有効となります。
獣の内部には反復に強く魅力を感じるセンサーがあり、何度も繰り返されるものに魅力を感じモチベーションが高まる様にプログラムされています。
「反復」とは言わば儀式のことで「この動作をしたら大事な作業に取り組む」と言うように決めた手順を何度も繰り返すことで作業を儀式化することができます。
朝起きたら顔を洗う
始業直後にはToDoリストを確認する
と言った様に実効性が高い儀式をつくることで獣がやる気を出してくれるのです。
調教師は「物語」で強くなる
調教師の能力を上げるためのキーワードが 「物語」です。
物語とは論理の力でアイデンティティを作ることを指します。
私は仕事を必ずやり遂げるという自己像を作り上げたとして、仕事中に飽きたとか休憩したいと集中力が続かなそうな状況に襲われたとしても、反射的に「やり遂げる人間」という自己像を守ろうとし、仕事に意識を戻すことができます。
自己像を論理的に再定義することで調教師の能力が上がるのです。
獣は「観察」すると、おとなしくなる
調教師の能力が上がったとしても、やはり獣の力は強く、油断をすればすぐに支配されてしまいます。こんなの時に役に立つのが「デタッチド・マインドフルネス」です。
思考と感情から距離を置き、何も分析せずただ観察する行為のこと
例えば、仕事の締め切りが明日に迫っているがたった今大きな仕事が成立したばかりでやる気が出ないとしたとき。「取引が成立しその達成感を壊したくないから獣がやる気を抑えているが、まずは提出文書の一文だけでも書いてみよう」と感情を観察することで獣に支配されずに済みます。
集中できなくなったら諦める
様々なテクニックがありましたが、最後に一つ抑えて貰いたいことがあります。
このポイントを逃してしまうと全てが水の泡になってしまいます。
それは「諦めること」です。
集中力が続かない人は集中力を追い求めすぎる傾向にあるので、諦めるという事も大切なことなのです。
あまりに集中力を求めすぎると調教師が「自分には能力がない」と考えてしまいアイデンティティに刻まれ、マイナスの自己像ができてしまいます。
このことから諦めることもいかに重要かがわかると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
これまで考えたことが無いことも沢山知ることができたのではないでしょうか?
より深く内容を理解したい人は一度手に取って読んでみることをお勧めします。
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