2025年人は買い物をしなくなる!?

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2025年人は買い物をしなくなる

 

この本の著者は、買い物をしなくなる根拠を述べて議論をしたかったわけではありません。

背景にある世界の動きや人々の心の動き、そしてその劇的な変化にこそ注目をして欲しいと思います。時代の風が今どの方向に向いているのか理解さえしておけば未来に向けて心構えができる、と言う想いが込められています。

なぜ買い物をしなくなるのか?

 

この答えは極めてシンプルで

「買い物をするのが面倒だから」

です。

しかし、買い物を完全にしなくなると言うより、しない方向に社会は向かっていると捉えた方が自然かと思います。

この本の著者は、デジタル化が進むアメリカや中国に何度も足を運び「近い将来、人は買い物をしなくなる」と確信したと述べています。

 

「そんなことは信じられない」という方もいるかもしれません。

しかし、グーグルでアメリカのデッドモール(廃墟になった商業施設)を検索するとかなりの数が出てくるのです。2017年にはなんと8,640ものショッピングモールが閉鎖に追い込まれたとされています。

なぜこのようなことになったのかと言うと、本のタイトルの通り人が買い物に行かなくなってしまったからです。

しかしこれは序章にすぎず、アメリカでは2026年75000ものショッピング施設が閉店すると言われています。

 

その原因となったのがネット上での買い物で代表的なものが「Amazon」です。

かつて大型ショッピング施設が町の小売店を潰したように、今度はAmazonがショッピング施設を潰しており、通称『アマゾンエフェクト』と言われています。

日米でこの効果は異なるでしょうが、日本でもこの効果が出てくるのは明らかではないでしょうか。

そもそも買い物ってなんだ?

買い物とは単にモノを買うという事ではありません。

施設に行き、買いたい商品を見て回ったり、手に取ったり、そして購入を決定し決済を済ませる。この一連の流れを「買い物」と称しています。

この様に改めて確認すると「買い物は面倒だ」と感じる人もいるのではないでしょうか?それに加えて、渋滞に巻き込まれたり、交通費を掛けて、時間を掛けて、人混みに紛れておこなうわけです。余計なお金も余計な時間も余計な体力も使う事になります。

それを解消するためにできたのがネットショップです。

日本でもAmazon、楽天、ZOZOTOWN、メルカリなどさまざまなものがあります。私たちのリアルな生活から欠かせないものになってきたのではないでしょうか?

 

この様なネットショップの普及によって、リアルなお店の棚から商品が徐々に消えて次第に空になってしまいます。その無くなった商品はデジタルの棚『デジタルシェルフ』に置き換えらるのです。

 

生き残るお店の特徴は?

そうはいっても全てお店が消えてなくなるわけではありません。

生き残るお店の特徴は『体験』を提供できるお店だと著者は述べています。そこに行かなくては価値が得られない、その様なお店のことを言っています。

例えば飲食、美容、エンターテイメントなどが上げられます。この様なお店は参入する数も

多いので競争が激しい業界ではあるが、ネットの脅威にさらされる危険性は少ないとしています。したがって今後も生き残っていく可能性は高いと言えます。

 

問題なのは一般の小売店です。

「物さえ手に入ればいい」と思われてしまうと工夫をしないとなかなか生き残ることは難しいでしょう。

『体験』をプラスアルファとして取り入れてきている企業も多々あり、その筆頭ともいえるのがアメリカ・マンハッタンにあるナイキのお店です。店内では至る所にQRコードがあり様々なサービスを受けることができます。またナイキ専用のアプリを使えば店員と一切やり取りをせずにアイテムを購入できますし、定員さんと相談しながらアイテムをカスタマイズすることもできます。

 

ここから何が学べるのか?

この様な最新の仕組みは大企業だからこそできることと思われがちですが、注目したいのは表立ったキラキラした部分ではなく内側にある仕組みの変化です。

つまり今後は一方通行型の販売から共同創出型へ移行されつつあるという事です。

一方通行型:良いものを作れば自然にものが売れる。
      お客様から「良いものを作ってもらってありがとう」と
言ってもらえる。
共同創出型:企業と消費者が一緒になって価値を作る。
      お客様から「特別な時間を作ってもらってありがとう」
と言ってもらえる。

 

ビジネスパーソンとして生き残こるためには環境の変化に一早く気づいて対応しなくてはなりません。

 

あわせて認識しなくてはならないのは消費者の購買判断基準が変わったということです。

「芸能人の○○が使っていた」と、CMで流れているからいいものだと言うマス広告を信用していたものがそうではなくなったのです。インターネットが普及し情報が民主化され更に誰もがSNSを使うようになって、簡単に「人の本音」にアクセスできるようになったため人の購買意欲が2つのパターンに変わりました。それが「AI」「口コミ」です。

AIによってその人の好みに合わせた選択肢を与えられることで、山積みの商品からものをかき分けたり膨大な情報から希望するものを探したりする必要がなくなります。そして購入の意思決定をするために実際の購入者の意見を聞きたい、と言うときに活用されるのが口コミです。特にインフルエンサーの口コミは凄まじくSNSで発信するだけでテレビCMに匹敵するほどの効果があります。

日本の企業でも「インフルエンサー採用」と言うものが始まっていて、センスを持った人やSNS発信力を持った人を優先的に採用するという制度を取り入れているのです。

「買い物」はもはや従来の「買い物」ではない。

この流れの中で更に進化させる仕組み、社会を一変させる仕組みが始まっています。

それが「サブスクリプション」です。

 

サブスクリプション
定額制サービスのこと。「サブスク」とも呼よばれる。
     Amazonprime、ネットフリックス、Huluなど。

 

なぜこれらが今の社会に受け入れられているか?

それは、これまで述べたことと同様に「面倒なこと」解消してくれるサービスだからです。

店舗に行き商品を選び、終わったら返しに行く、遅れたら延滞料金を払う。この様なことが一切不要になるのがサブスクです。

 

そして今後、世の中のあらゆるものが「サブスク化」していきます。例えば

雑誌、漫画、自動車、バイク、洋服、アクセサリー、おもちゃ等

これらはすでにサブスク化されているものばかりです。

利用する人にとっての最大のメリットは

「好きなものをどれだけ使っても価格が一定」

と言う事です。

 

家計管理も圧倒的に楽になるのですが、本質として大切なのは「どのような時にお得なのか、役に立つのか」です。

あまり知られていませんが「その商品やサービスが高いときほどメリットを発揮する」と言われています。その定番が車です。タイミングさえ間違えなければ、本体価格だけでなく自動車税、車検代、保険代など様々な費用が一定額で済みますので、購入するより大幅に費用を抑えることができるのです。

 

ものを所有しなくなる時代

これから先、買っているのにものを所有しないという概念が一般化されてきます。

これはフリマアプリの「メルカリ」がきっかけに爆発的に広がりました。

「最初から売るつもりで買う」と言う考えが広まり、お店の仕入れのように最初から転売の目的で購入するようになったのです。

 

昔は『良いものを買って長く使う』と言う考えだったのが、今は『長く使うと損をする』と言う考え方に変わってきているのです。

これからの現代人が求めるもの

これだけ生活の仕組みが簡略化され手間を掛けなくなっても求められるもの。

それは『時間』です。

カット野菜、冷凍食品、最新家電等。時間を短縮するものがどんどん普及されて使える時間がどんどん多くなる中でも更にそれが求められるのです。

 

それに応える代表的な仕組みがアメリカの無人コンビニ『Amazon go』です。

品物を取って店を出るだけで決済できるコンビニです。

 

これだけ便利に、時間を短縮化できる仕組みがあるにも関わらず皆が時間が足りないという原因は「情報」だと著者は述べています。

スマホ一つで様々な情報をえら得るようになったために様々な情報を簡単に手に入れることができ『情報化社会』という海に溺れてしまうような状況になってしまっているのです。

 

買い物をしなくなる『最終形態』

 

ここまでの事はまだ序章にすぎず、今後更なる進化があります。

『欲しいと思ったら取り寄せる』から『欲しいと思ったらそこにある』と言う究極のレベルになりつつあります。

つまりこれが『買い物をしなくなる』状態です。

著者はこれを『無意識の買い物』と表現しています。

どのようなものかと言うと、ティッシュやトイレットペーパーといった消耗品や卵や牛乳と言う普段の使用が多いものが無くなる手間で家に届くと言ったものです。

これを支えるのは個人情報でそれらのデータを集約し細かい行動パターンや好みまで分析をして自動で行ってくれるというわけです。

 

これだけのことが2025年にできるのか。

それを可能にするのがインターネット革新と言われる『5G』です。

5Gは4Gの100倍の速度をもつ通信機能で2時間の映画が約3秒でダウンロードできるほどです。

これによってあらゆる生活設備がインターネットに繋がり、生活のあらゆるものがその人にとって最適なサービスを提供してくれることになります。そのような未来がもうそこまできているのです。

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

冒頭で、この本が言いたいことは『買い物をしなくなる』と言う事ではないと言いましたが、世界の動きや人々の心の動きを一般の人々に知ってもらう事を目的としていると述べました。

劇的に変わるのは「買い物」だけではなく町も学校も会社も人々が面倒だと感じるものはどんどんやらなくてもいい方向に変化をして言います。

そうすると社会の常識や働き方や価値観もどんどん変化していきます。

 

その様な中で自分の人生を謳歌するためには時間の使い方を真剣に考え、今の時代に即したものにアップデートしなくてはなりません。

 

是非、本を手に取って見ることをお勧めします。

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